「意志力は、使えば使うほどすり減るの?」「誘惑に負けないで、やるべきことに集中したい。」
連日の暑さやオリンピック等で、仕事や勉強がはかどらないという人が結構いるのではないでしょうか?
今回は意志力がなかなか発揮できないという人の為に、意志力を発揮しやすくなるセルフコントロールの科学を紹介していきたいと思います。
1.意思力について

以前の研究では、ウィルパワー(意思力)は減ってしまうと言われていましたが、「実は減らないんじゃない?」という事実が、最近の研究で明らかになってきました。
| 意思力はすり減らない!?について覆った
意思力はD=0.62(約62%)の相関ですり減るとされていましたが、最近の研究で覆ったそうです。実は相関関係は、ほぼ0だったそうです。
科学でも覆ることが起こり得るということが分かりますね☆
2.状況によってモチベーションが変わる

「やるべき事」の優先順位を上げればモチベーションも上がります。
ただ状況により優先順位が下がり、モチベーションも下がってしまいます。例えば、他にやりたいことが出たり、お腹が減ると勉強のモチベーションが下がります。
言い換えると、状況をコントロールして優先順位を上げる戦略をどれだけ知っているかが大切です。
3.減らない意志力につながる5つのテクニック

ここから、減らない意志力につながるテクニックを5つ紹介します。
Ⅰ.誘惑の少ない環境づくり
意志力よりも誘惑の少ない環境を作ることが大切です。
(1)誘惑コントロール
誘惑の少ない部屋で集中しましょう。
実際
・誘惑の少ない部屋で集中する→ゴールの達成率が上がる
・誘惑の多い環境は疲れが増える→ゴールの達成率が下がる
ということが分かっています。
1日の疲労感が多い時は、どんな誘惑が多かったのか考えてみましょう。
(2)隣人コントロール
集中している人の隣で作業しましょう。隣人の影響で集中力の度合いも伝染します。
隣の人がパーテーションや壁で区切られていても、集中している人の気配を感じ集中できるようになります。
カフェや図書館で勉強するのも効果的ですね☆
隣人の科学については、過去記事で紹介しているので参考にしてみてください。
(3)ピアプレッシャー
集中している人のいる環境で集中するピアプレッシャー*¹も良い方法です。
職場が典型的な例ですね。
*¹ピアプレッシャーとは、職場やチームなど集団における秩序を保とうとする同化作用により、仲間との相互監視で生じる同調圧力のことです。 ピアプレッシャーが適度に働くことで組織全体の連帯感が高まり業績アップに繋がるなど、プラスの効果をもたらします。
Ⅱ.想像力
想像力には衝動や誘惑を打ち消す働きがあります。
例えば、今1500円もらえる場合と、1ヵ月後に2000円もらえる場合があるとします。
被験者に2つの質問
1.「今1500円もらうのと30日後に2000円もらう」のでは、どっちが良いですか?
2.「今1500円もらって30日後0円もらう」のと「今0円もらって30日後2000円もらう」のでは、どっちが良いですか?
を行ってもらったところ、1の質問では今1500円もらう選択をする人が多く、2の質問では30日後2000円もらうという選択をする人が多くなりました。
理由として
・1の質問は現在と未来が分離している…目先の衝動に弱くなる
・2の質問では現在と未来がつながっている…目先の衝動に飲み込まれなくなる
ことが挙げられています。
つまり、今と未来をつなげる想像力を使うと誘惑に抗えることが可能になります。
Ⅲ.ゲーミフィケーション
インド人とアメリカ人とでは、意思力に対する考え方が違います。
・インド人は「意志力を使えば使うほど、意志の力は強くなる」
・アメリカ人は「意思力を使えば使うほど、意思力はすり減って疲れる」
という文化があります。
つまり、意思力はモチベーションや考え方次第で変わってくる可能性が示唆されますね。
そこで、ゲーミフィケーション(勉強をゲームのように楽しむ)を使うとモチベーションが上がるので効果的です。
ゲーミフィケーションも過去記事で紹介しているので参考にしてみてください。
Ⅳ.共感能力コントロール
他人の気持ちが分かる人ほど集中力が高まりやすいことが分かっています。
内向的な人の方が、外向型の人より共感能力が高いので集中力が高まります。
他人の気持ちが分からない人は
・目先の衝動に弱くなる
・将来の大きなチャンスを逃してしまう
ことが分かっています。
未来の自分の気持ちが分からなくなるのが理由とされています。
対策として
・「今〇〇しなかったら、未来の自分は〇〇で困っているのかな…。」
・「今〇〇しなかったら、周りの人は〇〇で幻滅するのかな…。」
など、未来の自分や周りの気持ちに共感して今の行動を決めることが大切です。
| 共感能力の上げ方
共感能力の上げ方として
- ヨガ
- 瞑想
- 祈り
- 自然
- 畏怖を感じる(壮大な風景)
- 自己犠牲作品を見る(泣ける映画)
- 難解作品を読む(偉人の名言・ポエム)
の7つが挙げられています。
この7つは迷走神経(副交感神経)を活性化する効果があります。
Ⅴ.笑う
お笑い動画を観て笑うことで、集中力をブーストできるようになります。
被験者にタスクをやってもらった後、休憩時間に
・Mrビーンのお笑い動画
・イルカの動画
を観てもらいました。
その結果、Mrビーンのお笑い動画を観たグループの方が、イルカの動画を観たグループよりも作業に集中する時間が2倍も上がりました。
お笑い動画を観ると、脳が瞑想している状態に近くなると言われており、脳にγ派が出ることが分かっています。
γ派はゾーンに入りやすくなる効果があります。
つまり定期的に笑う習慣を作ることで、やる気が出るようになります。
まとめ
いかがでしたか。
減らない意志力につながる5つのテクニックを紹介しました。
意思力を発揮できないという人は、参考にしてみてください。
関連本を貼っておきます。
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