サイコパスの特性

ストレス

サイコパスという言葉から何を連想しますか?

一般的に、映画で言うと「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士が頭に浮かぶと思います。レクター博士は精神科医にして、残虐な連続殺人犯。囚われの身として鉄格子ごしに睨む目が、しばらく忘れられません。

こうした映画や小説を通じて、サイコパスのことを、「冷淡で残虐な殺人者」というイメージで捉えている人も多いと思われます。

実はサイコパスの多くは、殺人鬼でもなければ、殺人以外の犯罪者ですらありません。それでは、サイコパスとは一体何なのでしょうか?

今回は、サイコパスに知りたいという人のために、サイコパスの特性をいくつか紹介していきたいと思います。

1.サイコの語源はギリシア語の「魂」

サイコパス(psychopath:精神病質者)は、精神医学や心理学の領域で使われる専門用語といわれています。psychoの語源はギリシア語で「魂」の意味を表すPsyche(プシュケー)にあり、英語やフランス語などで「精神病質の、狂気の」といった意味をもつ接頭語です。

現在のサイコパスにつながる概念は、20世紀前半に活躍したドイツの精神医学者クルト・シュナイダーが定義したものになります。

シュナイダーは、「自身で悩む、あるいは他人を悩ませるような、正常からいちじるしく逸脱したパーソナリティ(性格)」を「サイコパシー(精神病質)」とし

10の類型

  1. 発揚性
  2. 抑うつ性
  3. 自信欠乏症
  4. 狂信性
  5. 顕示性
  6. 気分易変性
  7. 爆発性
  8. 情性欠如性
  9. 意思欠如性
  10. 無力性

をあげました。

このうちの情性欠如性とは、「良心や人間らしさが欠落しており、他人の苦痛や不幸に共感できない、自身の危険や死にすら心を動かされない性格」を指し、現在のサイコパスの概念に最も近いとされています。

2.サイコパスの診断方法

サイコパスの診断方法として、4つの因子

  • 対人因子
  • 感情因子
  • 生活様式因子
  • 反社会因子

が挙げられています。

●サイコパスチェックリストの概要

 表面的な魅力
 尊大な自己意識
対人因子他者操作性
 病的な虚言癖
 長続きしない婚姻関係
 衝動性
 刺激希求性
 行動コントロールの欠如
生活様式因子 
 現実的で長期的な目標欠如
 無責任性
 寄生的ライフスタイル
 冷笑性、共感性欠如
 良心の呵責や罪悪感の欠如
感情因子 
 浅薄な情緒性
 自分の行動に対する責任感の欠如


 幼少時の問題行動
 少年非行
反社会的因子早期からの行動的問題
 仮釈放の取り消し
 犯罪の多方向性


20項目からなるサイコパスチェックリスト。一つの項目に、0~2点の点数をつけ、合計
30点を超えるとサイコパスと診断されます。

3.100人に1~3人程度がサイコパス

複数の専門家が、サイコパスの人口比率についての疫学調査を行っています。

アメリカの心理学者マーサ・スタウトは「アメリカでは約4%」、イギリスの神経科学者ジェームズ・ブレアは「人口の1~3%」と見積もっています。

筑波大教授(以下教授)によると、「疫学的に調べたところでは、どのような集団でも数%がサイコパスとの結果です。日本では調べられていませんが、私はこの割合がほぼ当てはまるのではないかと考えています。」

つまり私たちの身近にサイコパスに分類される人がいても、とくに不思議なことではないということですね☆

4.感情をつかさどる脳の活動レベルが低い

近年になって、サイコパスには特徴的な脳の構造や機能の異常、すなわち生物学的な要因がみられるのかが注目されるようになってきました。

結論を述べると、重大な罪を犯したサイコパスの脳では、「前頭葉や偏桃体における安静時の血流量や糖代謝量が、健常者とくらべて有意に低い」との報告が複数されています。

例えば、アメリカの神経科学者ジェームズ・ファロンは、1900年代に同僚の求めに応じて連続殺人犯などの脳のPET解析を行い、健常者とは明らかに異なる脳の特徴を突き止めたといいます。

彼は著書『サイコパス・インサイド』において、サイコパスの脳は、通常の人の脳に比べて、眼窩前頭前皮質、前頭前皮質腹内側部、前帯状皮質などの活動が喪失していると記述しています。

5.サイコパスの4つの分類

イギリスの心理学者ケビン・ダットンは、サイコパスを「能力の高さ・低さ」、「反社会性の高さ・低さ」によって4種類に分けています。

●心理学者ケビン・ダットンによる「サイコパスの4つの分類」

 能力が高い能力が低い
反社会性が高い暴力的サイコパス成功したサイコパス凶悪犯罪者
反社会性が低い非暴力サイコパス良いサイコパス軽犯罪者
サイコパスは、その反社会性と能力の高さに応じて、4つに分類することができ、社会的に成功しているサイコパスも数多くみられるという。

この分類にしたがうと、能力が高く、反社会性が高い場合が「成功したサイコパス」、能力が高く、反社会性が低い場合が「良いサイコパス」となります。

国民をまとめて困難に立ち向かう政治家、絶体絶命かと思われる状況で最高の活躍をみせるアスリート、大観衆の前でミス一つなく演じるアーティストの中には、成功したサイコパスから良いサイコパスに至る段階のいずれかに位置する人がいるということです。

多くの専門家は、「才能にあふれ、常識を超越した行動力を発揮するサイコパスに対し、一般の人々は大きな魅力を感じる」と述べています。

ただし教授は、「成功したサイコパスが、必ずしも良いサイコパスとは限りません」とも指摘しています。成功の陰で裏切りやウソを重ね、法の網をかいくぐっている例が少なくないのだといいます。

6.サイコパスとの共存をはかるには

教授によると、私たちの身近にいるサイコパスの大半は犯罪者ではないが、中にはハラスメント、DV、企業不正などの問題行動を起こす人もいるのは確かとのことです。

サイコパスの特性は幼少期から発現しはじめ、非行、破壊行為、小動物への残虐行為などとして表れることが少なくないといいます。

人口の数%を占めるとしたら、サイコパスは誰の回りにもごく普通にいることになります。自分の身の回りにサイコパスと思われる人がいる場合には、どうしたら良いのでしょうか。

教授は「サイコパスは個人で対処できる存在ではありません」とした上で、「身近な知り合いであったとしても、適切な距離をとるのが良いと思います」と助言しています。

サイコパスの特性や傾向を正しく理解することが、サイコパスと共存する方法の模索につながり、自身を守る手立てになるといえそうです。

まとめ

いかがでしたか。

サイコパスの特性をいくつか紹介しました。

私たちの身近にもいるのかもしれませんね。

関連本を貼っておきます。

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