うつで病んだ時の対処法

woman looking at sea while sitting on beach ストレス
Photo by Pixabay on Pexels.com

最近ニュースを見るたびに、有名人が自殺をするといった、ショッキングな出来事が続いています。

一見、華やかで何不自由のない生活をしているように見える人が、なぜ自らの命を絶ってしまうのか…なかなか詳細な原因が分からず、不可解な面が多いように感じます。

その一方で、自らが役になりきることで作品を作る人達は、感受性が強いが故に、日常的にストレスやメンタル面のダメージを受けやすいのではないかとも思われます。

今回はメンタルの病気の一つ、うつ病の症状の見分け方から治療法、うつ病の人への接し方までを詳しく紹介します。

あなた自身が苦しんでいる時、あるいは大切な人が辛そうにしている時、どうすればいいでしょうか?この対処法を読んで、知識を身につけておきましょう。

うつ病の症状

「なんだか憂鬱でやる気が出ない」という日を、だれもが経験したことがあるでしょう。

そんな憂鬱な気分や意欲の低下が長く続いている時は、うつ病の可能性があります。不眠や食欲不振といった身体症状がある場合も、うつ病の疑いがあります。

不安がある場合は必ず医師の診断を受けること

うつ病の診断ツールは、いくつか存在します。中でも「PHQ‐9(patient Health Questionnaire)日本語版(2018)」は、信頼性が高く評価されており、医療現場でも広く使われています。

これは、下の九つの質問(A~I)それぞれに対して、この2週間でどの程度当てはまっているかを答えてもらいます。そしてその合計点から、うつ病の症状レベルを評価するものです。

A.物事に対してほとんど興味がない

B.気分が落ち込む,憂鬱になる,または絶望的な気持ちになる

C.寝つきが悪い,途中で目がさめる,または逆に眠りすぎる

D.疲れた感じがする,または気力がない

E.あまり食欲がない,または食べ過ぎる

F.自分はダメな人間だと気に病む,または自分自身あるいは家族に申し訳ないと感じる

G.新聞を読む,またはテレビをみることなどに集中することが難しい

H.他人が気づくぐらいに動きや話し方が遅くなる,あるいは反対に,そわそわしたり,落ち着かず,ふだんよりも動き回ることがある

I.死んだ方がましだ,あるいは自分を何らかの方法で傷つけようと思ったことがある

うつ病の診断補助ツール「PHQ-9」の九つの質問を示しました。ここ2週間で、まったくない場合は0点、数日の場合は1点、半分以上の場合は2点。ほとんどの場合は3点とし、九つの質問に対する合計点からうつ病の症状レベルを評価します。

うつ病の症状レベルの評価

合計点症状レベル
0~4点なし
5~9点軽度
10~14点中軽度
15~19点中経度~重度
20~27点重度

 

うつ病かもしれないと思う人は、一度自分でチェックしてみるのもいいでしょう。

ただし、PHO‐9は、うつ病かどうかを確実に診断できるものではありません。実際の診断には、医師の総合的な判断が必須であるため、もし不安を抱えている場合には、必ず医師の判断を受けましょう。

うつ病の原因と予防

うつ病は、日本人の15人に1人が生涯のうちに罹患りかんすると報告されている、非常に身近な病気です。

うつ病の発症のきっかけとして、まず第一にあげられるのは「過度のストレス」です。

学校や仕事などで、毎日強いストレスにさらされている人や、人生の転機に差しかかり大きなプレッシャーを感じている人などは、うつ病を発症する危険性が高いため、とくに注意が必要です。

ただし、ストレスの感じ方は人によって大きく異なります。性格的要因や遺伝的要因もうつ病のかかりやすさに影響することが知られているのです。

ストレスの少ない環境にいるにもかかわらずうつ病を発症する場合もあり、さまざまな要因が重なり合うことで、うつ病は発症に至ると考えられています。

運動量の少ない人はうつ病になるリスクが高い

うつ病は「脳の病気」であり、脳の活動の変化が気分の落ちこみといった症状を引き起こしていると考えられています。

最も有力とされる「モノアミン仮説」では、脳内で「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった気分や感情に関係する神経伝達物質(モノアミン)が不足してしまうことが、うつ病の原因だとされています。

実際に、この仮説をもとに薬が開発され、「セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)]など、さまざまな抗うつ薬が治療効果を示しています。

セロトニンは、日光を浴びたり運動したりすることによって、分泌量が増えることが知られています。

「運動量の少ない人はうつ病になるリスクが高い」という報告も多くされており、無理のない運動は、うつ病の予防としてある程度の効果があるとされています。

うつ病の治療法

抗うつ薬などを使った「薬物療法」が、うつ病治療の第一の選択肢であることは事実です。

しかし近年では、医師やカウンセラーと共に”精神の取り扱い方”を学んでいく精神療法の一つである「認知行動療法」が行われるケースも増えています。

認知行動療法は、「どう考えるか(認知)によって感情が生み出される」と考え、それらを見直すことで感情を制御する方法です。

うつ病の認知行動療法では、自分の考え方の”悪いくせ”を理解することから始めます。例えば仕事でミスをして注意を受けたとき、あなたはどのように考えるのでしょうか?

うつ病になりやすい人の思考法の一つに、物事を極端に考えてしまう「全か無か思考(白黒思考)」があります。

全か無か思考をしがちな人は、「60%は失敗だったが、40%は成功だった」などと、より柔軟な考え方ができるように、認知行動療法を使ってトレーニングが行われます。

認知行動療法は、薬物療法と同等以上の効果がある

うつ病の治療に認知行動療法を単体で用いることは、薬物療法単体での治療にくらべて、同等以上の効果があることが、研究によってわかっています(二つの治療法を併用へいようする場合は、さらに効果が高くなります)。

また認知行動療法を行えば、根本的な考え方を変えることで、治療後に同様の状況におちいった時でも対処が可能であり、再発の可能性は低くなると考えられます。

さらに、薬物療法は半年以上続けるのが一般的ですが、認知行動療法は3~4か月で主なプログラムが終了します。

考え方の悪いくせには、以下のようにさまざまな種類があります。一度、自分のふだんの考え方と照らし合わせてみてはどうでしょうか。

うつ病の原因となる、よくある思考のくせ

・べき思考…「~すべきだ」「~すべきでない」などと決めつけ、固定された理想を自分や他人に強く要求してしまいます。

・自己批判…「こうなったのは自分のせいだ」などと、何か良くないことが起きたときに、自分の責任を過度に見積もってしまいます。

・破局観(先読み)…「きっと今回もダメにちがいない」などと、他のさまざまな可能性を考慮こうりょせず、未来に悲観的な予測を立ててしまいます。

・思いこみ・レッテル貼り…「自分は本当にダメな人間だ」などと、他のさまざまな事実を考慮せず、不十分な根拠から否定的な結論を導いてしまいます。

・読心術(人の心の深読み)…「あの人は自分のことを嫌っている」などと、他人の考えていることを推測して、それが正しいと思いこんでしまいます。

・全か無か思考(白黒思考)…「一つ間違えたらすべておしまいだ」などと、物事を100(全)か0(無)かのどちらか両極端にとらえてしまいます。

 

うつ病の人との接し方

うつ病になると、意欲が低下して気分が落ちこみ、不眠や食欲不振におちいります。

倦怠感けんたいかんによって何をするのも面倒になってしまうため、病気であることを認識していない周囲の人から「なまけている」などと誤解されてしまうことがあります。

しかし本人は、「がんばろうと思っても動けない状態」におちいっているため、こういった誤解は、「がんばれない自分はダメな人間だ」などという自責の念を本人に与え、うつ病をより重症化させる原因になってしまいます。

うつ病は早期発見・早期治療が重要であり、治療が遅れるほど症状が長引くことが知られています。

しかし、不眠や倦怠感といった身体症状の原因がうつ病にあると気づかない場合も多くあります。そういった身体症状や、気分の落ち込み、あせりや不安などが続いているときは、まず専門医を受診してみることが大切です。

周囲の人も「最近しばらく元気がないな」と思うような人がいる場合は、その人の話をよく聞いて、受診をやさしくすすめましょう。

一緒に治していこうという態度が大切

「うつ病の人に『がんばれ』は禁句」という話を聞いたことはないでしょうか?

国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターの蟹江かにえ医師は、「一般に『がんばれ』といってはいけない風潮が広まっています。

しかし『一緒にがんばっていこう』という意味での『がんばれ』は適切な接し方です。禁句なのは、無責任な『がんばれ』です」と語ります。

ただ漠然ばくぜんと「がんばれ」といわれただけでは、どうがんばればよいかが分からず困惑こんわくし、不満がたまってしまいます。

まず、うつ病の人の感情に共感し、その後「問題を解決するにはどうすればよいのか」を話し合います。

このときにかける「がんばれ」は適切なはげましであり、本人は回復へ進みはじめることができるといいます。

⚠自殺を防ぐための4か条「TALK」

1.Tell(伝える)…あなたのことをとても心配していて、自殺しないで欲しいと思っていることをはっきりと伝えること。

2.Ask(たずねる)…自殺したいという気持ちがあるか、直接たずねること。

3.Listen(聞く)…死にたい気持ちや絶望的な気持ちに耳をかたむけること。

4.Keep safe(安全確保)…危ないと感じたら、一人にしないこと。また場合によっては入院などの措置そちをとること。

うつ病やほかの精神疾患に罹患しているとき、自殺するリスクは高まってしまいます。大切な人を失わないために、自殺予防の四つの原則の頭文字をとった「TALK」を覚えておきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

うつ病は身近にひそんでいる厄介やっかいな病気の一つです。

あまり自分を追い詰めすぎないように注意しましょう。

このサイトをフォローする!

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました